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2006年2月 1日 (水)

国語教科書の思想

国語教科書の思想
国語教科書の思想
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石原 千秋
筑摩書房 (2005/10/04)
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4 国語教科書に幻滅する教科書編集委員
4 出るべくして出た本
5 国語教科書は道徳の教科書

   

あの「秘伝 中学入試国語読解法」の著者石原千秋氏

の近著、「国語教科書の思想」を読了しました。同氏の

中学、高校、大学入試のための一連の解説本は全て

読みました。

  

今回は、特に小学校、中学校で採択されている国語教

科書の内容を氏独自のテクスト論から読み解き、その

思想背景を解き明かす内容となっています。

  

秘伝 中学入試国語読解法」のときから一貫して国語

が学校という枠組みの中で、道徳教育を体現するため

の装置であるという主張は、今回も変りません。

  

中学入試国語を解くカギは、この枠組みを理解する事

で、あとは自ずと正解が導きだされることを逆手にとっ

て、思いっきり技術論に落とし込んだのが、あの「秘伝

中学入試国語読解法」の第2部でした。

  

国語教科書の思想」の白眉は、前半部分のPISA(OE

CDが世界41カ国の15歳に対して実施した国際学習到達

度調査)で日本の「読解力」が著しく低下した理由は単に

「ゆとり教育」にあるのではなく、国語教育に潜む思想に

あると喝破したところです。

  

従来の国語教育では、これから国際社会で生き延びて

いくことは極めて困難で、PISAの求める次の3つの能力

(リテラシー)をどうやって身につけさせるのか、日本の

国語教育の根本的改革が必要であると説いています。

  

①文章や図や表から情報を読み解く力。

②文章を批評的に読む力。

③これらを記述する力。

  

実際に、PISAの設問とそれに対する日本の15歳の無

回答率は、戦慄さえ覚えます。あれもあるしこれもある

という正解がひとつだけではない自由記述に関して、半

分が無回答という数字さえあります。

  

但し、回答したもののなかで正解率は国際的にはそう

劣っていないところを見ると、そのような訓練を受けた

生徒たちが数字を底上げしているようです。

  

最近の中学入試問題(国語だけでなく、理科や社会も)

や塾のテキストをみると、単純な知識問題よりもまさに

上記の3つの能力を問うているものがトレンドになって

きています。特に難関中と言われる学校の入試問題は

益々こういった傾向になってきています。

  

中学入試問題も、時代の流れの中で変化しています。

グローバル化する社会の要請に応えられる「人材」を

求めるというのが、私立中学の入試問題に込められた

メッセージのようです。

  

・・・・・なんて、今日はちょっとまじめにレビューを書いて

しまいましたが、社会生活の中で「会話にならない」人が

多くなってきたと思いませんか?単に世代間ギャップだ

けではない。

  

どうやら、PISAの結果はこのあたりをも映しているように

思えてなりません。

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