国語教科書の思想
筑摩書房 (2005/10/04)
売り上げランキング: 105,502

国語教科書に幻滅する教科書編集委員
出るべくして出た本
国語教科書は道徳の教科書
あの「秘伝 中学入試国語読解法」の著者石原千秋氏
の近著、「国語教科書の思想」を読了しました。同氏の
中学、高校、大学入試のための一連の解説本は全て
読みました。
今回は、特に小学校、中学校で採択されている国語教
科書の内容を氏独自のテクスト論から読み解き、その
思想背景を解き明かす内容となっています。
「秘伝 中学入試国語読解法」のときから一貫して国語
が学校という枠組みの中で、道徳教育を体現するため
の装置であるという主張は、今回も変りません。
中学入試国語を解くカギは、この枠組みを理解する事
で、あとは自ずと正解が導きだされることを逆手にとっ
て、思いっきり技術論に落とし込んだのが、あの「秘伝
中学入試国語読解法」の第2部でした。
「国語教科書の思想」の白眉は、前半部分のPISA(OE
CDが世界41カ国の15歳に対して実施した国際学習到達
度調査)で日本の「読解力」が著しく低下した理由は単に
「ゆとり教育」にあるのではなく、国語教育に潜む思想に
あると喝破したところです。
従来の国語教育では、これから国際社会で生き延びて
いくことは極めて困難で、PISAの求める次の3つの能力
(リテラシー)をどうやって身につけさせるのか、日本の
国語教育の根本的改革が必要であると説いています。
①文章や図や表から情報を読み解く力。
②文章を批評的に読む力。
③これらを記述する力。
実際に、PISAの設問とそれに対する日本の15歳の無
回答率は、戦慄さえ覚えます。あれもあるしこれもある
という正解がひとつだけではない自由記述に関して、半
分が無回答という数字さえあります。
但し、回答したもののなかで正解率は国際的にはそう
劣っていないところを見ると、そのような訓練を受けた
生徒たちが数字を底上げしているようです。
最近の中学入試問題(国語だけでなく、理科や社会も)
や塾のテキストをみると、単純な知識問題よりもまさに
上記の3つの能力を問うているものがトレンドになって
きています。特に難関中と言われる学校の入試問題は
益々こういった傾向になってきています。
中学入試問題も、時代の流れの中で変化しています。
グローバル化する社会の要請に応えられる「人材」を
求めるというのが、私立中学の入試問題に込められた
メッセージのようです。
・・・・・なんて、今日はちょっとまじめにレビューを書いて
しまいましたが、社会生活の中で「会話にならない」人が
多くなってきたと思いませんか?単に世代間ギャップだ
けではない。
どうやら、PISAの結果はこのあたりをも映しているように
思えてなりません。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリ内の最近の記事
- 国語教科書の思想(2006.02.01)
- 「秘伝中学入試国語読解法」(2005.07.20)
- 中学受験で子供と遊ぼう(2005.07.22)
- 迷わない中学受験―親と子の合格お助けバイブル(2005.07.22)
- 強育論-The art of teaching without teaching(2005.07.23)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/116754/8452223
この記事へのトラックバック一覧です: 国語教科書の思想:
» Lexapro side effects. [Lexapro.]
Lexapro. Lexapro and alcohol. Lexapro generic. Lexapro sleepy. [続きを読む]
受信: 2007年10月12日 (金) 12時27分



コメント